こんにちは。とくみ(@tokumiweb)です。
今回の記事では、元人材開発コンサルであるとくみから、キャリアデザインを考える際の基礎知識として、キャリアとは何かというテーマで僕なりの考え方をご紹介したいと思います。
キャリア。
社会人であれば、この言葉は一度は聞いたことがあるかと思います。
大学生の時にキャリアに関連する講義を受けた、社会人になって勤めている会社で研修があった、上司や人事との面談の中で話題として挙がった、新聞や書籍等で読んだ等、社会人であればどこかで接点を持つ言葉かと思います。
ただ、言葉としては聞いたことがあるし、大切なことなんだろうなと思いつつも、今ひとつ捉えどころのない言葉でもありますので、具体的に自分とどう関係するのか知りたいと思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで、今回の記事では、この捉えどころのないキャリアという言葉と自分自身の接点を再確認していただけるように、記事の構成を作ってみました。
キャリアは、自分にどう関係するのか。
自分の人生や仕事にどう役立てれば良いのか。
そういった観点で僕の考えを紹介してみたいと思います。
ただし、キャリアの言葉の定義はかなり広いため、本ブログのメインの読者である会社・組織で働く20代〜30代のサラリーマンの方に向けた内容としてまとめています。
学術的な説明を行うことを目的とした記事ではありませんので、その点を予めご了承の上、読んでいただければと思います。
僕が人材開発コンサルタントだった時代の知見などもふまえてまとめてみましたので、キャリアについての理解を深めたい方の参考になれば嬉しいです。
結論
では、結論です。
キャリアとは何か。
キャリアとは、自分自身の職業人生のことを指します。
キャリアを考えることは、自分自身の職業人生を主体的に選択する生き方(働き方)につながると考えています。
まずは、キャリアの言葉のイメージの輪郭を確認していきます。
キャリアの意味・定義・語源
キャリアとは、自分自身の職業人生のこと。
「職業」とは主にお金を稼ぐためにしている仕事のことを意味し、「人生」とは生きている間の生涯のことを意味します。
職業人生とは、「社会人になってから今までのお金を稼ぐためにしてきた仕事の経験・経歴」と捉えていただくと良いかと思います。
念のため、いくつかあるキャリアの定義をご紹介しておきます。
「キャリア」とは、一般に「経歴」、「経験」、「発展」さらには、「関連した職務の連鎖」等と表現され、時間的持続性ないし継続性を持った概念として捉えられる。
出典:厚生労働省「キャリア形成を支援する労働市場政策研究会」報告書要旨
https://www.mhlw.go.jp/houdou/2002/07/h0731-3.html
JCDAでは、キャリアを「人生そのもの」としてとらえています。
出典:特定非営利活動法人日本キャリア開発協会(JCDA)
https://www.j-cda.jp/your-own-career/about-career.php
そうなんです。
キャリアという言葉の定義は、いろんな組織、いろんな方が様々な捉え方をしています。
実体のない概念の話なので、よくわからなくなってしまいますよね。
さらに、イメージの輪郭を掴むため、キャリアの語源についても触れておきたいと思います。
キャリアという言葉の語源を調べていくと、ラテン語のCarariaにたどり着きます。これは、荷馬車や四輪の荷車の通り道、轍(わだち)を意味し、それが次第に転じて、人のたどる行路やその足跡・経路・遍歴を意味するようになったと言われています。つまり、キャリアという言葉は、人の経歴や生涯をも含む意味を持っているのです。
出典:特定非営利活動法人日本キャリア開発協会(JCDA)
https://www.j-cda.jp/your-own-career/about-career.php
ということです。
語源としては、人のたどる行路の足跡・経路・遍歴という意味を含んでいるということで、人生や生涯とも通じる言葉として捉えられるかと思います。
どうでしょうか。
イメージが湧いてきたでしょうか。
本記事は学術的な解説を目指す記事ではありませんので、イメージがつかめてきたところで、次は自分自身の置き換えて考えるきっかけになるような話に入っていきたいと思います。
ひとまず、本記事ではキャリアとは自分自身の職業人生である、という冒頭に示した意味で話を進めていきます。
そもそもキャリアについて考えることはどんな意味があるの?
言葉のイメージとしてはある程度理解できてきたけど、そもそものところ、キャリアについて考えることはどんな意味があるの?
と思っていらっしゃる方もいらっしゃるかと思いますので、その点について触れていきたいと思います。
僕が考える意味は、自己理解と価値確認です。
自分自身の理解を深めること。
自分自身の価値を確認すること。
この2つだと考えています。
キャリアについて考えることで、自分自身の理解が深まり、自分自身の価値が確認できる、と思っています。
自分自身の理解とは、例えば仕事をする目的、仕事を通じて実現したいこと、仕事の中に求めている価値観や欲求、こういったことを理解することを指します。
自分一人で考えようとすると、うまく整理できないこともあると思いますので、思考の助けとして、キャリアに関連するフレームワークを活用すると良いかもしれません。
フレームワークとは、言葉の通り、枠組みのことです。
キャリアのことを考えやすくするための枠組みという意味です。
具体的に、キャリアに関連するフレームワークで有名なものは「WIill、Can、Must」などがあります。
僕が元人材開発コンサルの時によく研修などで紹介していたフレームワークは「キャリア・アンカー」です。
ここでは言葉だけ紹介して詳しく掘り下げませんので、そういったものがあるんだなあと頭の片隅に置いていただくだけで大丈夫です。
さらに深く知る必要が出てきたタイミングで改めて調べてみるということで良いかと思います。
説明としては次に進みます。
また、自分自身の価値の確認ですが、例えばこれまでしてきた仕事や経験、スキル、実績、成果といったものが人材マーケットの中でどんな価値を持つのか、そういったことを確認することを指します。
こちらも自分一人で価値を確認するのは難しいため、通常は転職サイト、転職エージェント、スカウトサイト等に登録してみることで、自分自身の市場価値を確かめます。
最近ではWEBサービスやアプリ等でも診断することができますので、興味がある方は探してみてください。
価値を確認するための第一歩としては、王道ですが履歴書、職務経歴書を作る作業がオススメです。
自分自身の仕事歴はすなわち職業人生とほぼイコールだと思いますので、これまでしてきた仕事を振り返り、履歴書や職務経歴書にまとめてみる。
その後、転職エージェントや企業のスカウト担当の方に見てもらうことで、自分自身の価値を確認するツールとして活用することができます。
自己理解と価値確認のイメージはつかんでいただけたでしょうか。
また、実際にキャリアを考える意味があることを示す最近のトレンドとして僕が注目しているのは、キャリア相談のニーズの高まりです。
キャリア相談というのは、大学のキャリアセンターやハローワークなどで相談員の方が相談に無料で対応してくれるものから、キャリアカウンセラーやプロのキャリアコーチに相談する有料のものまで、様々な形がありますが、最近は有料のキャリア相談サービスに注目が集まったりもしています。
今の時代、それだけ真剣にキャリアに悩む方が増えてきているのだと思います。
>>>【参考記事】キャリア相談を有料で行うメリット・効果は何?
キャリアを考えると人生どうなるの?
それでは次に、キャリアを考えると人生はどうなるの?
ということについて触れてみたいと思います。
キャリアを考えた人と考えない人生、大きな違いがあるとすれば、自分の人生を主体的に選択できるかようになるかどうか、という点にあると僕は考えます。
もちろん、キャリアを考えた人生の方が自分の人生を主体的に選択できるようになると思います。
理由は、自分の軸をしっかり持つことにつながると思うからです。
ただ、大切なことは、一度考えたことに固執するのではなく、それをベースに自分の人生を主体的に選択して生きていくことにあると僕は思っています。
キャリアを考えた人生だからと言って、それが望む通りに実現するかどうかはわかりません。
むしろ、望む通りに実現しないことの方が多いと思います。
キャリアは、結婚、出産、病気、親の介護、社会の変化等、ライフイベントや社会情勢によっても大きく影響を受け、予期せず変わってしまうものだと言われます。
そのため、ゴールは定めず、現在に焦点をあて、偶然の出来事に対して柔軟に行動、判断したりすることでチャンスをつかむキャリアの考え方として、計画的偶発性理論(Planned Happenstance Theory)というものがあります。
計画的偶発性理論はキャリアを考えることを否定するものではありません。
考えたこと自体に固執して可能性を狭めるより、目の前のチャンスに気づいて、主体的に自分の進む道を選択していくことがキャリアの成功につながる、という考え方です。
気になる方はぜひご自身で調べてみてください。
僕がここでお伝えしたいのは、キャリアを考えておくことで、自己理解と価値確認が進み、それを道標としながら、自分が選択できることの中から最善の選択肢を選び、納得感を持ちながら人生を生きることができるようになるのではないかということです。
だから僕は読者の方には考えることをオススメしたいです。
>>>【参考記事】【キャリアデザインの基礎知識】キャリアの考え方
キャリアを考えるタイミングとしては、20代の期間が最適です。
もちろん、30代、40代でも遅くはありませんが、できれば20代が良いと思います。
詳細はこちらの記事を参考にしてみてください。
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20代の時にやっておくべきこと キャリア設計編
今回の記事では、20代の社会人に贈る20代の時にやっておくべきことの1つであるキャリア設計についてご紹介したいと思います。置かれている環境や状況に流されてしまい、いつの間にか受け身の状態で人生を過ごしてしまわないように、早い時期から自身の未来のキャリア像を描き、自分の軸をしっかり持つことが大切です。
まとめ
キャリアとは、自分自身の職業人生のことでした。
キャリアを考えることで、自己理解と価値確認が進み、主体的に自分の人生を選択する生き方ができるようになります。
ただし、世界・社会の変化、所属している会社の業績・事情、一緒に働く職場の上司・仲間の変化、家族の変化、そういったことに大きく影響を受けます。
逆らっても意味がない大きな波もあります。
大切なことは波に乗ること。
変化することを楽しむこと。
年齢や人生経験によって、自分自身の価値観や欲求の変化もあると思います。
そういったことを前提としてキャリアを捉え、柔軟に考えていくことが大切なのではないでしょうか。
この記事をきっかけに、あなた自身のキャリアについて考える機会につながれば嬉しく思います。